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出会い・感動インタビュー

自分らしさを見失わずに、まっすぐに生きていく。-MAIKOさん

第10回目のインタビューは、モデルのMAIKOさん。2008年の秋に、乳がんを発症。手術、そして抗がん剤の治療による脱毛などを乗り越え、現在再びモデルとして活躍されています。にこやかな笑顔、颯爽としたスタイル、ポジティブな美しさをお持ちのMAIKOさんに、スヴェンソン銀座サロンにお越しいただき、さまざまなお話をお聞きしました。

MAIKOさん/モデル

東京都生まれ、福島県育ち。高校卒業後からモデルをはじめ「FENDI」「Chloe」「ヒロコ コシノ」「ジャン・ポール・ノット」などのファッションショーに出演。「STORY」「ミセス」などのファッション誌、CM、広告、テレビなどで幅広く活躍。乳がんの手術・治療を経て仕事に復帰。著書やブログ、講演などで、自身の体験を積極的に伝える活動も行う。現在、高校2年生になる息子さんの母でもある。

MAIKOさん

―モデルになられたきっかけは?

小さいころから背が高かったので、いとこが「MAIKOは将来モデルだね」とよく言っていました。でも、そのときはモデルのことをよく理解はしていなく て、普通の女の子と同じように、アイドルやキャビンアテンダントなどに憧れていました。お洒落にめざめたのは中学生になってから。ファッション誌を読むようになり、モデルのお仕事にとても興味が湧き、高校生になるとその思いはさらに強まりま した。母の知り合いの芸能事務所の方に、お話を聞いたりもしました。結局、その事務所には入らなかったのですが、その後、自分でモデル事務所に履歴書を送って、この業界に入りました。

―モデルになった時のご家族や周囲の反応はどんな感じでしたか?

母は私の意志や意見をとても尊重してくれ、「あなたがやりたいのなら、一生懸命がんばりなさい」と応援してくれました。とてもありがたく心強かったです。
母方の親戚にはお医者さんが多いんですね。私がモデルになりたいという話を聞きつけた叔母からは、「もっと、ちゃんとした仕事に就きなさい」と言われまし た。たしかに、モデルは安定した仕事ではありません。でもその後、雑誌に私が出るようになると、叔母たちも自慢げに患者さんに見せているという話を聞き安 心しました。そういう意味では、周囲にも恵まれていたと思っています。

―モデル業の中で一番好きなお仕事は?

MAIKOさん

多くの方たちの視線を浴びるファッションショーは、他の仕事では経験できないことだと考えています。もちろん雑誌モデルの仕事も大好きです。以前、 ELLEやVOGUEで活躍している方たちと仕事をさせていただきました。撮影場所はパリとロンドン。カメラマンもスタイリストも、世界で活躍する一流の プロフェッショナルです。モデルをしていなかったら出会わなかった人たちとの仕事は、私のモデルとしてのキャリアを磨く、刺激的な出来事となりました。

”母親“としてのMAIKOさん―母として大切にしていることは?

MAIKOさん

私は本当に息子に対して、母親らしいことをしていないので、偉そうなことは言えません。昔から「親はなくても子は育つ」と言いますが、まさに言い得て妙だなと思っています(笑)。でも、息子を産んで母となってから、すごく学ぶことが多かったという思いはあります。育児をしていく中で、「ああ、こういう気づきや心づかいが必要だな」とか「子どもの目線を大切にしなければ」と、日々たくさんのことを学んでいきました。

―MAIKOさんの入院中、息子さんのご様子は?

それ以前も、家を開けることは少なくありませんでした。でも、健康なお母さんが仕事でいないのと、入院していないのではまったく違いますよね。正直、さびしい思いをさせてしまったと思いますが、息子は私から見てもとても気丈に振舞っていました。
幸い祖父母の家が近く、何かと面倒をみてもらいました。祖母たちの言うこともちゃんと聞いていたようです。入院前は反抗期だったので、私に対して冷たい言葉づかいのときもあったのですが、入院中やその後は優しい言葉がけになっていたのが印象的でした。

―今、息子さんへメッセージを伝えるとしたら。

息子は、今、高校2年生です。離婚によって不便をかけていることもあり、息子に対して申し訳ないという気持ちを持っています。そのせいか、つい接し方が甘 くなってしまいがち。これから先の彼の長い人生は、すべてが明るい未来ばかりではありません。楽しいことも、辛いことも起こるでしょう。だから、できるだ けいろんな経験をしてほしい。私が病気になったのも、彼の人生の中で何らかの意味のあることだと思いたいし、そこから実際に何かを学んでほしいと願っています。

”闘病“を経験されたMAIKOさん―乳がんに気づかれたときのことを教えてください

入浴時のセルフチェックでシコリを見つけ、言いようのない不安に襲われました。病院で検査をしてもらい、最初は良性と言われたのが、1週間後には一転、悪性だと告げられました。
どうしても納得できなかったので、事務所の方に紹介してもらいセカンドオピニオンへ。でも、答えは同じ。この時点ですべてを受け入れる準備はできていたのですが、最初から相談していた義母の関係で聖路加病院を紹介していただき、サードオピニオンを受けることとなりました。

―手術や治療への不安などは、いかがでしたか?

心から信頼できる先生と出会い、「この先生に任せて治療に専念しよう」と思うことはとても大事なことです。私は本当に周りの方に恵まれ、みんながいろいろ心配やアドバイスをしてくださいました。そんな中、聖路加病院で手術・治療ができ、感謝の気持ちでいっぱいです。正直、手術後の抗がん剤治療には抵抗がありました。でも、経験された方が「心配しないで、髪はまた生えてくるから」と声をかけてくださいました。そのおかげで「ここから逃げてもしょうがない、前向きに治療に取り組もう」という気持ちになることもできました。

―最後に、乳がん患者の皆様へメッセージをお願いします。

MAIKOさん

最近は、病気を経験してよかったと思えるようになりました。以前は、人生は楽しいのが当たり前、それが「当たり前に生きられることに感謝する」気持ちへと切り替わったのです。そして、「人生は長さではなくて、どう生きるかが大切だ」ということも実感しています。再発や転移の可能性はゼロではありませんが、いちいちそれを恐れて消極的に生きることはしたくありません。それよりも日々、人に感謝して、いつも笑顔で自分らしさを見失わず、まっすぐに生きていきたい。それが心にも体にも良いことだと、心の底から感じています。

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