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社長挨拶 -MY MESSAGE-

気持ちを切り替えることの重要性

2015年9月30日

4月28日から5月5日まで、世界卓球選手権大会が開催されました。
日本は男子が銅メダル、女子が銀メダルという結果でした。
女子は福原愛が欠場した穴を、石川・平野・石垣がそれぞれ自分の役割をしっかり果たし、
銀メダルを獲得したことは賞賛に値すると思います。素敵な笑顔と泣き顔が印象的でした。

男子は、初戦でギリシャに負け、黒星発信となりましたが、
その翌朝、倉嶋監督に電話をし、水谷隼選手には、次のようなメールを送りました。

「お早う!隼も本調子ではないけど、しっかりと責任を果たして、
完全に実力が付いてきたと思う。他の二人は心の問題、
ここは開き直って気持ちを切り替えること!それには笑い飛ばすこと。
ドーパミンが出て体中にエネルギーが充満します。選手のリーダーとして明るく笑顔で、
みんなを引っ張って行って下さい!期待しています!」

水谷選手の返信
「おはようございます。前回、前々回と予選で一敗してからのメダル獲得だったので、
再現してみせます。ご連絡ありがとうございます。」

倉嶋監督
「わざわざご連絡ありがとうございます。お心遣いに本当に感謝しております。
昨晩のミーティングで最後の瞬間まで、決して諦めないこと、
あと少しの勇気と思い切りがプレーに必要だということを話し、チームを再出発させます。
開き直って、今日からまた、ひとつひとつ頑張ります。ありがとうございました。」

このように二人からの返信を貰い、
日本は必ず立ち直り、結果を出してくれることを確信しました。

水谷が大黒柱としてその重責を全うし、内容も良かったと思います。

卓球競技は、80%以上が精神力の勝負だと言われています。
私は、大事な試合の前には、次のことをいつも紙に書いて選手に伝えています。

○リードしたら、勢いに乗って、それ以上に思い切れ!
○苦しいとき、負けているときは、開き直って思い切れ!
○どんなことがあっても、“もうだめだ”と思うな。まだ、「プラスαの力」が残っていると思え!
○“気力”と“執念”が相手より優っていれば、必ず「勝利の女神」が微笑んでくれる・・・これは真理だ!etc

今回の日本チームに、これらのことを照らし合わせてみても、
大きな教訓とドラマがあったと思います。

“気持ちの切り替え”が、いかに大事か━ということを、私は常に力説しています。
この言葉はたった8文字だけど、
スポーツ・科学・学術・芸術・事業・企業経営など、あらゆる分野でとても重要な言葉であり、
この決断と行動力が成功を呼び込むのです。

ソチ・オリンピックでの浅田真央選手。
前日のショートプログラムでまさかの大失敗。
メダルの望みが絶たれた中での翌日のフリーで完璧な演技を見せてくれました。
深夜のテレビの前で、祈るような気持ちで観ていた方も多かったのではないでしょうか。
そして、日本人だけではなく、世界中が感動を覚えたその結果、
世界のトップスケーター達が賛辞を贈ってくれました。

本人はショートの演技のあとに、
「明日をどう乗り切ればいいのか、自分でも分からない・・・」と言っていましたが、
見事に気持ちを切り替えて、8トリプルという前人未到の挑戦をしました。
感動のフリー演技の翌日に、マスコミ関係の誰もが尋ねたのは、
落胆のショートの演技から、あのフリーへ、
どのように気持ちを切り替えたのか、という点でした。 
それに対して、浅田選手は、
「当日もあまり気持ちが切り替わっていなかったんですが、もう、いろいろ、いろいろ考えて、
最終的には、自分を信じて、覚悟決めて、失敗するなら思いきっていこう、
やることはやってきたのだから・・・という気持ちでやりました。」

勝つために全力を尽くすのは当たり前ですが、
負けと決まったあとに、全身全霊を打ち込めるのは、
誰にでも出来ることではない━と思います。
絶対絶命のピンチだって、気の持ち方一つです。
ここまで努力してきたのだから、結果は必ずついてくる・・・と
「開き直る」ことが、すごく大事です。
そこまでやれば悔いは残りません。

今回の世界卓球選手権とソチ・オリンピックを振り返り、
自分自身と闘い続けてきた選手たちの『思いの強さ』と、『努力』にどの位差があったのか、
自分自身に与えるメダルは何色だったのか。
観ていた我々も共に考えてみたいと思いました。

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