社長挨拶 -MY MESSAGE-
人生の師 舩井先生 ありがとう
2015年9月30日
私が人生の師として尊敬し、家族ぐるみでお付き合いをさせていただいた、船井流経営法の神さまとして多くの船井ファンに愛された、舩井幸雄先生(船井総合研究所・船井本社グループ 創業者)が1月19日に永眠されました。
そこで先生から頂いた教訓のほんの一部ではありますが、ホームタウンに収載したいと思います。
舩井先生との出会いは、1992年の9月のことです。ある経済誌の執筆を拝見し、私では考えもつかないような発想をされる方だな…と、興味をひかれ、その後講演を聴きに行きました。
そして、この先生に是非お会いして教訓を得たいと思いました。
思うと直ぐ行動に移す私は、早速電話をして、1ヵ月半後にアポイントをとりました。
当時の私は負けず嫌いで、謙虚でなく、素直さがなく、傲慢で、自分が言い出したことは、とことん最後まで我を張り通す典型的な人間でした。
舩井先生は、私の想像をはるかに超える懐の深さで、私を包み込んでくださいました。
人間というのは、大自然の力や人間関係、物理的な諸条件によって生かされている、生かされている心になりきることにより感謝の念が湧き、真の幸せが得られる。
「だから運をよくしようと思えば、結局、心を養わねばならない。」
成功する人の特性としては、プラス発想・素直・勉強好き・挑戦好き・謙虚で笑顔・長所伸展・執念・強気・思いやりがある・・・
又逆に否定・批判・傲慢・不遜・短気などの持ち主は、今良くても将来は運の神が逃げてしまう…など
例を挙げながら教えていただきました。
最初は、ガツンと頭を叩かれたような衝撃を受けましたが、 自分でも驚くほどに、短時日で心を入れ替えることができ、社員に対しても、周囲の人々に対しても、感謝することを覚えました。
また、1994年2月に行った、弊社の10周年記念式典では、「これから10年の生き方」という演題でご講演を賜りました。
内容をほんの一部抜粋して紹介いたします。
「今、企業経営の目的は何か」ということで、大きな変革が起こっている。
これを間違った会社が全部駄目になっているんです。
世界一儲かっていたIBMが、たった10年間で世界一儲からない会社になった。
これが民営の自由企業です。だから安心できないんです。
日本だったら、例えば日本航空に入った、新日本製鉄に入ったなら大丈夫と言えるかもわかりませんが、やはりそんなに安心ではないようです。
あっという間に企業はだめになるということをまず知っておいてください。
これから21世紀にかけて伸びる企業は、企業経営の目的の1番目が教育性、2番目が社会性の追求で、その結果、収益が上がるでしょう。
そして、これからの10年間一番大事なのは人間性を追求することである。
というのが私の見解です━というような骨子で、2時間程お話をいただきました。
20年前にこのようなお話をされた舩井先生の先見性には驚くばかりです。
そして、このことが、その後の私の経営観の土台となり、お陰様でスヴェンソン・グループも順調に成長させていただいております。
今年の舩井先生からの年賀状には、
「愛妻と老人夫婦仲を楽しんでいます。どんどん仲が良くなります」…とございました。
その年賀状を拝見しながら、私たち夫婦も、
「我々も同じようになってきたね」と顔を見合わせて、頷き合いました。
寿命に限りがあるとはいえ、今更のように無常を感じます。
日頃、教えられることの多かった私は、師を失った感慨尽きぬものがあります。
永い間、本当に有難うございました。
心からご冥福をお祈り申し上げます。