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出会い・感動インタビュー

「雲」のようにいろんな形になって、世界中の人を元気づけていきたい。-武田双雲さん

第4回目のお客様は、常にイキイキと活動されている書道家の武田双雲さん。湘南に構えたアトリエ兼書道教室は、独特の空気を醸し出している素晴らしい環境でした。書道家としての枠に収まることなく、ジャンルを超越して新たな領域へと突き進んでいる武田さんの“上機嫌”の秘訣はどこにあるのか。また、ポジティブ思考の源と書道への思い、将来への望みまでたっぷりとお話しいただきました。

武田双雲さん/書道家

1975年熊本県生まれ。3歳の頃から、書道家でもある母の武田双葉に師事。大学卒業後に就職したNTT東日本(株)を約3年で離れ、2000年に独立。コラボレーション活動やパフォーマンス書道で注目を集め、2003年には上海美術館より「龍華翠褒賞」を授与。同年フィレンツェの「コスタンツァ・メディチ家芸術褒賞」を受賞。NHKの大河ドラマ『天地人』をはじめ、映画やイベントなどで数多くの題字を手がける。主な著書に『たのしか』(ダイヤモンド社)、『ひらく言葉』(河出書房新社)などがある。

武田 双雲さん

 

ー上機嫌に日々を楽しむことの大切さ

武田 双雲さん

よく「お花畑をルンルンで踏んでいく男」って責められるんですよ。スキップしてたら周りは全部ぐちゃぐちゃになってた……みたいな感じです。(笑)僕はただ自由に、毎日を上機嫌に生きているだけのつもりなんですけどね。空気を読み過ぎないで、自分が「美しい」と思ったら、何にでも見とれるクセがあるからかな。もともと、いろんなことに感動しちゃうんです。朝、顔を洗う時の水の潤いや、家の外に出れば木の枝ぶりを見ただけで心がウキウキします。それは、本当のところ何にでも感謝しているからなんですよね。

最近になって、実は人生では感謝するのが一番楽だってことに気付きました。感謝のパワーのカタチって「丸い」から、いろんなものを包み込んで、スーっと水が流れるように進んでいく。だから何事もスムーズに運ばれていくことが多いんです。逆に、感謝しないで無理矢理何かをやらなければいけないとしたら、それにはすごいエネルギーが必要だし、すごくつらいこと。ちょっとした視点の切り替えかもしれないけど、「感謝」というテクニックを覚えるだけで、本当に世界が一変しますよ。
でも、世間には行き詰っていて視点の変え方すら分からない人もいるでしょう。そんなとき一番簡単なのは、たとえば口癖を変えることなんです。

僕は、脳って検索エンジンみたいなものだと思っています。自分が発した言葉を無意識に検索するんですよ。たとえば「忙しい」と言えば、脳はその原因や過去の「忙しい」体験の「検索」を始めます。そうして多くの「検索結果」が集まり、より忙しくなってしまう。いつも「忙しい」と言ってる人もたった1カ月間でいい、心から「ゆとりたっぷり!」と言い続ければ、確実に変わりますよ。時間はみんなに平等にあるんだから、そういう気持ちで過ごすことが大事。つまりどんなフィルターを使うかによって、世界の方が変化するものなんです。

「ありがたい」と口に出す、つまり「ありがたい眼鏡」をかけて世界を見れば、いろんなことのありがたさに気付く。「楽しい」を口癖にすれば、今度は心が「楽しく」なるようなものを探し始める。先に言葉があって、意識しているものが見えてくるんですよ。一緒に街を歩いていても、おしゃれな人は「ファッション」や「髪型」をよく見ているし、「色」に敏感な人もいる。もちろん、僕だったらいろんな「書」が目につきます。

とはいっても、ネガティブな言葉を全て否定するわけじゃありません。大事なのは、一度口に出してみる。そして、なぜそうなのかを考えること。それを我慢したり気づかないふりをするのも、別のつらさがありますからね。自分のネガティブな部分も見つめ、受け入れないと本当にポジティブな人生は歩めないと思うんです。僕は「ポジティブの自家発電」タイプだから大丈夫だけど、そこまで能天気じゃない人は、あせらず、急がず、ゆっくりと前に進んで行けばいいんです。無理して一気に飛び越えようとすると逆に危険。そのためには、まず口癖を変えることから始めるといいですよ。

ー言葉のとてつもない力

武田 双雲さん

言葉の力って、本当にすごい。僕らが何となく感じているよりも、はるかに大きいものです。それは、反応で分かります。ブログで書いたことや講演でしゃべったことに対する反響が多くて、びっくりするんですよ。反応があると、それだけ発信のしがいも増えてきます。言葉って不思議ですよね。僕の喉から出た波長が鼓膜を震わし、信号として脳に入るだけなのに「人生が変わった」と言われることさえある。同じ言葉でもその人の気持ちや状況で受け止め方がまるで違う。何気なく言ったことが共感を呼ぶこともあるし、伝わらない人にはいつまでたっても全く伝わらないんです。

僕の言葉に人を変えるだけの力なんてありませんよ。でも、変わろうとしてる人のきっかけづくりにはなると思う。誰だって「今のままでいいのかな?」と思うことはあるし、何かくすぶっているような気持を抱えて生きているのは全ての人が同じです。
たとえば、自分は前に行きたいのに、横に進んでしまっている時ってありますよね。そのストレスってすごく大きくて、行きたい道と、実際に進んでいる方向がズレればズレるほど、変わりたい衝動が生まれてくる。その衝動が大きい人ほど、爆発が起きやすい。爆発の力によって閉じていたフタがとれたりする。

武田 双雲さん

夢を持つことは本当に大事。人生の最大の喜びって、夢に向かっていくときだと思いませんか?その過程が何よ り楽しいし、幸せ。僕は17歳のときに加山雄三さん、そして吉永小百合さんに会いたいと思った。もちろん2人とも雲の上の大スター。みんな「いくらなんで も無理だ」と言いましたよ。でも結局は、52歳で加山さんに会い、同じステージで隣に立ってギターも弾けました。吉永さんに会うのには43年かけましたけ ど60歳で実現した。すぐに現実になるものなんて夢とは呼べないのかもしれません。もちろん、憧れの人に会ったらこんな話をしたいとイメージしましたよ。 それでうれしくなって、ワクワクする。夢が近付いてくる感じといえばいいのかな。そのときそのときが一番楽しかったですね。そんな経験をしてきたからこ そ、思い続ければ夢は叶うって自信を持って言えますよ。だって「夢」は見るものじゃなくて、叶えるものだから。

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